大混乱

2006年1月1日
なんというか3年も連続で喪中となりますと、年始のご挨拶の決まり文句も遠き記憶に埋もれてしまいました。
まあ、DNでリンクを張って下さってる皆様、MIXIからご覧になっている皆様、そして訳の分からない検索結果からご覧になっている皆様も含めまして本年も(ry

年末年始の休みはほぼカレンダー通り。
実家に戻る予定もなく、かといって旅に出る訳でもない。
自分自身としては去年に引き続き、格闘技でも眺めつつ馴染みの居酒屋に頼んだ御節を突き、正月用に買った宝剣か雨後の月を啜り新年を迎えようなどと目論んでいたりした。
尤も、30日の夜には居酒屋の大将に頼まれ、御節の詰め込みの手伝いをするつもりではあったのだが。

28日の夜に大将からの留守電に応え、顔を出すと詰め込みだけでなく御節作りの方も手伝ってくれとの事、しかも29日から。
まあ御節が完成しないことには俺の楽しみの柱が一本無くなってしまう訳で二つ返事で了承。
翌日、大将からの電話を待って居酒屋に出勤することに相成った。

彼女と二人、居酒屋に顔を出すと先ず飯を食いに行こうとのこと。
すぐ近所のとんかつ屋で定食を食わせて貰った後、早速作業開始。
程なくこの店を教えてくれた職場の先輩も参戦する。

第一の作業は穴子月輪作り。
鶉の卵をすり身と共に穴子で巻き凧糸で縛り煮る準備。
先輩と二人巻く、巻くひたすら巻く。
一個を半分に切ったものが一人前分になるので、予備を入れて37本?
70人前?
小上がりに所狭しと並んだ重箱が、ベルリンの壁に見えたのは気のせいだと思いたい。

その後先輩とコンビで、牛蒡の牛肉巻、地鶏野菜巻、牛卯の花巻
を作る。
俺は最後の網脂を巻く作業を担当する。
あまり網脂の予備がないので、無駄が出ないよう心を配るが、大きな筋は除かなければならないし、破れた所は上手く塞がなければならないし非常に大変。
まあ一番大変なのは網脂を触った後の手の匂いだった訳だが。
1度車を戻すついでに彼女を家に帰し自分は自転車で再度居酒屋へ。
その後2時近くまで半片肉詰フライとカレー糯米包フライの作成にいそしんでその日はそこで終了。
家に戻り風呂を浴び、一杯引っ掛けてそのまま寝床に潜り込んだ。

翌日は朝から正月用品の買い出しに出る予定だったので、10時ごろからお出かけ。
少々離れてるが安い所まで車を出す。
まあ一応喪中なのだが特に気にせず、小さなお飾りや鏡餅、餅や雑煮用の野菜などを買い込む。
しかし野菜が高いな。
三つ葉一束198円もするのか。
でも大手のスーパーだと298円もするそうなので安いところで買っておくに越したことはない。
車で街中に戻ってきて近所の商店街も覗いておく。
大根、金時人参、根深ねぎ、エリンギなどを購入。

魚屋も今日でおしまいなので大きな声を張り上げている。
蝦蛄がなかなか良さげ、二籠と一掴みで1000円で買う。
あとはより海老を300グラムほど。
これはつまみ用だな。
家で蝦蛄と海老を茹でようとして少々困る。
こんな量一遍で茹でられる鍋ねえよ。
何度かに分けて茹でていると大将からの電話。
時間切れ。
あとは彼女に残りの海老と蝦蛄を託し自分は居酒屋へと旅立っていった。

さて、今日は数の子から。
千枚漬けで巻いて細く切った金時人参で縛る。
たて結びにならないよう、人参を切らないよう神経を使う。
その後は一人で孔雀卵の下拵え。
染め粉で緑色にした鶉の卵をひき肉で包んでフライにするのだが、その肉で包んでラップに一個ずつくるむ作業。
それを70個。
昨日から包んだり縛ったりの連続。
もう何も考えずにロボットの様にやるのが一番。

夕方から常連さんも二人ほど手伝いに加わり、更に興が乗ってくる。
せと貝と数の子マヨネーズ和牡蠣殻盛に焼き目をつける作業は中々楽しい。
調子に乗るとすぐ焦げるがな。

日も落ち段々と寒くなってきた。
作り上げた料理がすべて冷蔵庫に収まりきらないので、店は暖房を入れず戸口も少し開けている。
店の中はかなり寒いが、俺は然程気にならない。
一昨年の仕事の方がもっと寒かったし、元々真冬でもシャツの上はジャケット一枚で過ごす人だし。

その少し開いた戸口を覗く人物。
先輩の近所のKさんであった。
先輩が今日ここ手伝いに来ると聞いていたので覗いて見たそうだ。
その先輩は昨日の手伝いの後、一睡もせずに朝から松葉銀杏に使う松葉を取りに行き、更に子供等と餅つきに参加し打ち上げにも参加した疲れで未だに姿を見せていない。
ともかく先輩が来るのを待つがてら、作業の方も手伝ってもらう。
とりあえず俺と組んで二見椎茸を詰める作業をしてもらう。

大将は手伝いの人間に酒を飲みながら作業をして良いと言う。
俺は作業が雑になるのと、眠くなるのが目に見えてるから飲まずに続けるが、Kさんはご機嫌に焼酎など啜りながら作業をしている。
二見椎茸は無事に終わり、俺は鮭親子和蜜柑釜を詰める作業。
蜜柑釜は中々面倒な作業で遅々と進まず。
Kさんは花百合根甘露煮を引き上げて皿にとる作業を仰せつかる。
一個々々丁寧に箸で引き上げるべきところ、先程から大分言動がおかしくなっていた彼、大胆に箸を突っ込みがらがらと皿に百合根を掻き出し始める。
あーあ、大将の苦労台無し。
横で見ていた俺だが、既に10時間以上作業して止める気力無し。
そもそも酔っ払いに作業をさせちゃいけないねえ。
彼がトイレに行った隙に大将に「何とかならんか?」言われるものの俺にはどうにもなりませんよ。
まあ程なくお帰りになられたのでそれ以上被害は拡がりませんでしたが。

そのKさんの電話に因って目が覚めた先輩、2時過ぎに参戦。
その先輩と肩を並べ切り込みに入ります。
先ずは昨日自分で巻いた穴子月輪。
これはまだ穴子を縦に切るので簡単です。
中心を切れば鶉の卵も綺麗に収まっています。
次は難関、牛卯の花巻。
中身が柔らかいので少し包丁に力が入っただけでつぶれてしまいます。
長さを一杯に使い何とか切りますが微妙に曲がってます。
まあ仕方ない、人間が曲がってるからなあ。
とか言っていると次が超難関でした。
鮟肝の昆布巻。
柔らかいとかそういう問題じゃない。
一回切るのに柳刃を3回くらい戻しました。
いや、もう、はい、全て曲がってる私の性格が悪いんです。
ごめんなさい。

店の中に所狭しと料理が並び、その数57品。
私、この時ほど酒瓶を邪魔に思ったのは酒を飲み始めてから初めてです。
朝の8時頃漸く折詰めに入ります。
一人前で普通の大きさの重箱2段と3分の2を使用します。
つまり1つのお重に2人前は入りません。
入りきらない分はパック詰めにして詰めましたよ70人前。
終わったのは夕方の5時頃。

余った分も含め我が家の分を詰め込めるだけ詰めるとお役御免。
漸く一息、大将の見てない隙にろかせずなど一杯飲み、更に帰山参番を3杯程あおって先輩と店を辞します。
片付けは流石に大将任せです。

這々の態で家に着き服を脱ぎ、一休みしようと目を閉じました。
彼女に起こされました。
時計の短針が右にありますが。
おおおぉぉぉ?俺の年末の楽しみは?orz
その後御節突きながら奥の松大吟醸FNを開けましたよ。
小川VS吉田戦だけ何とか見れたんで御の字。

今年も酒に終わり酒に始まりましたとさ。

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